豫言

豫言しませう。また小學生が殺される、と。
それあ、期限を決めてゐないかうした豫言は當るに決つてゐますが、さういふ話ではありません。

体育館に集まった1、2年生207人に誘拐をテーマにした手作り紙芝居を見せ、「悪い人に捕まりそうになったら、叫びながら暴れましょう」「知らない人が車の中から呼んでも近づかないで、車の後ろの方向へ逃げましょう」などと指導した。
同小の2年女子児童(7)は「変な人から声を掛けられたら、大声を出してパンチやキックをしながら逃げたい。練習したから大丈夫」と話していた。

「叫びながら暴れ」たから殺された悲慘な事件が、それこそ山のやうにありませんでしたか。
小學一二年生の「パンチやキック」など、大人に效くわけがありません。神經を逆撫でするだけです。始めは單なる誘拐目的だつた者が、これは手に負へないと判斷してより兇惡な手段に頼ることが、實に容易に、頭を全く使はなくても、想定できます。
生半可な練習をすることが一番危ない。その「パンチやキック」も私にだつたら效くかも知れません。「練習」の相手の大人にも效きませう。それはさうです。私も、「練習」相手の大人も、決して子供を犯罪に卷き込まうといふ意思を持つて近附いてゐるのではないのですから。