言葉の誤用について

屡々「言葉は生き物だ」と言はれます。然し、生き物の遺傳子操作には道徳上の問題があるといふ人も多くゐます。
言葉を誤つて用ゐることは、正確な情報傳達の障碍となります。
例へば「性癖」といふ語を「性的指向」と同義に用ゐる人Bがゐます。人Aが「ペドフィリアと云ふ性癖は云々」と書いた場合、誤れる智識を持つ人Bは「ペドフィリアと云ふ性的指向は云々」と同義に讀みます。然し、正しい意味として讀めば、人Aがペドフィリアを生れながらのものであると考へてゐることが分るのであります。
また、誤用をする人が多ければ「ペドフィリアと云ふ性癖は云々」と云ふ文章も誤用であつて人Aが單なる性的指向の意味で使つてゐるのではないかと疑はざるを得なくなります。「ペドフィリアと云ふ成績は云々」ならば「成績」が「性癖」の誤りであると分りますが、「性癖」では正しいのか誤つてゐるのか分らなつてしまふのです。